こんにちは。
しかさぶろうです。
羽生善治さんの「人工知能の核心」を読みましたので
レビューしたいと思います。
結論として非常に面白かったです「★★★★★」です
読む前に感じた疑問
本書を読む前に感じたのは
「なぜ棋士の羽生さんが人工知能の本を書いたの?」
という疑問でした。
将棋を指すのと人工知能の本を書くのが結びつかなかったんです。
しかし、読み始めてすぐにその疑問が解決しました。
最近は、電王戦なんてのもあって棋士の方が人工知能と将棋を指す
という機会が多いんですよね。よくニュースなんかでも見るし
そういえば、藤井聡太君も将棋ソフトで練習して強くなったって
報道もありましたよね?
つまり棋士の方は
時に対戦相手として、
時に練習仲間として、
人工知能と非常に近い付き合いをしているんですね。
しかも今の棋士の方たちは、人工知能が人間より強くなっていく過渡期を
まさに身近な問題として感じ的ていた方たちなんでしょうね。
さらに羽生さんは将棋意外の人工知能についての知見も豊富なようで
大変興味深い考察がたくさんありました
本書の魅力① 捨てページが少ない
本を読んでいて、よく思うことがあるんですが、
捨てページというか、本論を説明するには不要なページが
多い本ってありますよね?
本当に言いたい内容をギュッとまとめたら 5分の1くらいの
ページ数になるんじゃないか?とか思ったりするわけです。
しかし、本書はそういう内容がほとんどない。
どのページを読んでも深い内容ばかりです。
著者のテーマに対する 真摯な姿勢や深い考察が伝わってきます
本書の魅力② 羽生さんの考察が面白い
本当にこれに尽きると思います。
人工知能に対する考察が面白いんです。
特に記憶に残っているのが、「今の人工知能の弱点は時間の概念がない」
という旨の記載です。
人工知能は将棋の駒を3つだけ将棋盤に適当に置くと、
それが良い手か悪い手かが判断できるそうです。
人間には到底理解できないもので、つまりはその瞬間の状況を
判断(数値化)するのは人間よりも優れているそうです。
しかし、人工知能が指す将棋を棋士が見ると、
それが素晴らしい手であったとしても
違和感を感じることが多いそうです。
その理由は、将棋の流れや大局とは無関係で打たれる手であり、
流れや大局を重視する棋士から見ると違和感を感じることがあるそうです。
つまりは、それが人工知能が時間を意識できていないということなんだとか
なるほどなぁと思いました
本書の魅力③ 将棋のことについても書いてくれています
棋士がどのようなことを考えて将棋を指しているか?
なんてことも書いてくれています。
将棋プロは何十手も先まで読んで指すって話はよく聞きますよね?
人間離れした能力だとは思いますが、
どういう思考のプロセスで先の手を読むかを
書いてくれています。
何十手も先まで読める秘密がなんとなーく分かりました。
(本当はもっと複雑な話なんでしょうけど、わかりやすく書いてくれています)
また、将棋と囲碁の違いやチェスについても書いてくれており
大変興味深く読めました
そうそう。
面白かったのは将棋を指すときに
人と対戦するのと人工知能と対戦するのは全然違うんですって。
人工知能と対戦するのは全然面白くないとか。
やはり相手の癖とかを考えながら指すからこそ将棋は面白いらしい。
ちなみに人工知能を研究する作業は、
将棋を指す研究というよりは
人工知能のバグを見つける作業に近いとか(笑)
まとめ
とにかく捨てページが少なく、情報量の多い本ですので、
本当はもっと書きたいことがいっぱいあるんですが
私の拙いレビューではなく、ぜひ本書をご覧頂けると嬉しいです
2017年に私が読んだ本のランキングを載せていこうと思います。
1位:魔法のコンパス
3位:人工知能の核心
7位:はじめてのリーダー論
9位:タモリさんに学ぶ話がとぎれない 雑談の技術 (レビューはこちら)
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